ーHare's worldー 晴れ(Hare)が紡ぎ出す絵と物語 宇宙の生命、それらが憧れる地球の女神 魅惑の世界が広がる Arts and stories spun by Hare. Lifeform in the universe, the goddess of the earth that they yearn for, the fascinating world spreads

哀しみのスパイダーローズ(Sorrowful Spider Rose)

大いなる種族(大天使)カタログ 22 哀しみのスパイダーローズ(Sorrowful Spider Rose)

mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 7×14×0.2cm
2020年


The WARRIOR on The Moon who protects A Companion from The Mechanical Tribe(機械種族から仲間を護る月面の戦士)
スパイダーローズ(Spider Rose)
・オリジナル(Original) 2000m

※リンク(Link)
《大いなる種族(大天使)カタログ(The Gigantic Tribe(ARCHANGEL) CATALOGUE)》Page 2


機械種族(The Mechanical tribe)

※リンク(Link)
機械種族#1ー砲撃手ー(The Mechanical tribe #1ーThe Bombarderー)


《物語(Story)》

【哀しみのスパイダーローズ(Sorrowful Spider Rose)】

或る星系の或る惑星には3つの衛星がある。
その中で一番小さくて誰も住んでいない月には、彼女がいる。
その巨大な身体に感覚増幅器官と武器を装備し、ただ一人、月面で常時索敵を行う。
この惑星、そしてこの星系の為に、常に感覚を研ぎ澄まし、誰の侵入も逃さない。
彼女は、まるで花弁のような感覚増幅器官と、自由に動き回る多くの触手を持ち、それら触手はクリスタルであり武器となる。
それは、それぞれが強力なキャノンであり、集束させることで更に強力なものとなる。
彼女の姿はまるで、蠢く輝く脚に護られた、月に一輪だけ咲く花のようである。

彼女がここに居着いた経緯は誰も知らない。
この星系に文明が生まれるずっと前から彼女はここにいる。
ただ、彼女が放つエネルギーはいつも哀しげだといわれる。
彼女に謁見を許された者の話によると、彼女が放つ哀しみのエネルギーは凄まじく、彼女との謁見中は謁見者の眼には常に涙が溢れ出すというのだ。
遥か過去に何があったかは誰も知らない。
だがそれは、彼女にとってとても辛いことであったのだろう。
そしてそれが、彼女がここに居続け、何かを護り続けている理由なのだろうと考えられている。

彼女は、その外観から”スパイダーローズ”と呼ばれ、この星系で崇められる存在なのである。

彼女の月は他の2つの月より外の軌道を廻っている。
3つの月の中で一番大きい月は、彼女の月に次いで内側の軌道を廻る。彼女の月と一番大きい月は、最も内側の軌道を採るもう一つの月と比較すると、とても近い距離に位置する。
そして不思議なことに、彼女の月と一番大きい月は、惑星に対し直線上に位置する。惑星から見ると、彼女の月は一番大きい月に常に隠れて見えないのである。

まるで、彼女は一番大きい月を護っているかの様なのである。
一番大きい月にあるであろう何かを護っているかの様なのである。
月の中に隠された何かを。

かつてこの星系には戦いがあったであろう痕跡が、この惑星にも、最も内側の軌道を採る月にも、そして他の惑星にも存在している。
彼女の月には了承無しでは入ることは出来ず、彼女が護る月には今だかつて誰も入ることを許された者はいない為、この2つの月に戦いの痕跡があるかどうか確実な確認はされていない。
だが、惑星上からの各種望遠鏡や宇宙空間からの観察により、それらしき痕跡が確認されている。
その、我々がこの星系に入植した遥か以前にあった戦いが、彼女がこの星系この月を護っている理由と関係があるのだろうと我々は考えている。

遥か昔、
今では古参種族として崇められる私達は、
数が少なくなった”大いなる種族”の存在を護る為、母星を離れ、銀河の各地や他の銀河に散らばっていった。
私と彼女は二人で、この星系まで辿り着いた。
ここは豊かな惑星が幾つか在り、そしてまだ誰も知らない様だった。私達二人はここに滞在することにした。特に緑豊かなこの惑星に滞在した。

ある時、無闇に存在を拡げている宇宙種族が、この星系に手を伸ばしてきた。
彼らは、今は無き古参種族の一つに造られた種族。機械と生体とを融合した造られた種族。いつしか自分達を創造した種族を滅ぼし、拡散を始めた。

そんな種族が、私達二人が居る星系に侵入してきた。
彼らは私達の存在に気付くと容赦なく攻撃を仕掛けてきた。
私達は主にエネルギー源として使う為にクリスタルを沢山持っていた。そのクリスタルを武器として彼らに対抗した。
最外惑星がやられた後、彼らが次の惑星に辿り着く前に阻止しようとした。
最初は互角に戦っていた。
しかし徐々に追い詰められ、この緑豊かな惑星まで後退した。この惑星を何とか死守しようとした。
しかし、彼らは応援を呼び、その数と戦力の膨大さに私達は敢え無く散った。
惑星を廻る大きな月に彼女は堕ちていった。
私は瀕死となり宇宙空間をさ迷う形となった。

彼らは去っていった。
次へ向けて進んでいった。
彼ら機械種族は、ここが欲しい訳ではなかった。
ただ拡散し、戦いたいのだ。
邪魔物は、惑星であろうと、宇宙種族であろうと、ただ滅ぼしたいのだ。

私は宇宙空間をさ迷いながら、近くに浮かぶクリスタルを見つけた。そのクリスタルのエネルギーで、彼女が堕ちていった大きい月まで何とか辿り着いた。
そして、そこに倒れる彼女を見つけ、抱き締めた。
私は、ありったけのクリスタルを集めてカプセルを造り、彼女をその中に納めた。クリスタルのエネルギーで腐敗を防ぎ、いつか蘇ることを願いながら。
そして彼女の入ったカプセルを大きい月の中心に供えたのだ。

私は残りのクリスタルをかき集め、宇宙船の残骸からクリスタルと思念同調して自由に動かせるアーム状の武器を造り、同じく残骸から索敵の為の装置を自分の回りに配置した。
そして、彼女の月より外側の軌道を採る小さな月まで移動した。
彼女の月といつも同じ距離を保つ様に位置制御用のクリスタルを配置し、緑の美しい惑星を背景に、彼女の月をいつも見られる様に小さな月の公転位置を変更した。
そして、再度の機械種族からの攻撃に備えて、自らを彼女を護る武器として、小さな月の月面で常に索敵をすることとした。

そして何十億年が過ぎた………

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