acrylic,
canvas 24×33×0.3cm(F4)
1988年
《物語(Story)》
【密会(Secret Meeting)】
ここは森に覆われた緑だけの惑星。
人々はこの星に入植し、森の中で暮らした。
世代が進み、村や小さな町が幾つも出来、人々は豊かに暮らした。
時代が進み、人々は森を開拓し始めた。
大きな街が出来始めた。
その頃からだった。
“得たいの知れないものが現れる”と、街の郊外で噂になり始めた。
“何か大きな青いものが飛んでいるのを見た”のだと。
我々は街の代表。
我々は、この星に入植した人々の、入植当時からの拠り所となっていた。
我々は僧侶。
我々は噂を知り、その青いものを調査した。
我々は知った。
彼女が、この惑星の主なのだと。
いつからかは解らないが、我々が入植する遥か前から、この星と伴に生きる生命体の一人なのだと。
街の人々はまだ彼女のことは知らない。
先ずは我々だけで彼女と会うのだ。
そして今日、彼女との面会が街の人々には知らされずに行われることになった。
夜明けと伴に。