《詩(Poem)》
【わたし( I )】
何も無い薄灰色の世界に佇み
空虚な頭上を眺める
かつては熱いものが瞼を濡らし
侵した罪の重さを実感出来ずに
漠然と自らを罰し続け
還ることを切望した過去は
既に今と同化してしまい
ただ遠くに眺めるものと成り果ててしまった
眩いものと想い込み
今まで無かった温かさえをも感じ
待ち望んだ解放を信じ切っていた未来は
無理して描く中身の無い張りぼてとして崩れだし
願った光景も一瞬にして欠き消されて私には無縁のものとなっていく
何も無い薄灰色の自身の心に佇み
消えぬ烙印に潰され
世界から排除され
過去は廃墟として背後に聳え立ち
今は時の停まった夢として映され続け
未来は想うことも赦されない切り離された箱庭として奈落に堕ちて久しい
私は
空っぽになってしまった心の中を彷徨い続け
在る筈の自身が存在する証を探し続け
まだ微かに感じる愛する人への想いを
忘れないように
空っぽの心に刻み続ける