mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 14×7×0.2cm
(Total catalogue(Page 2):illustration board 30×42×0.2cm(A3))
2020年
《大いなる種族(大天使)カタログ(The Gigantic Tribe(ARCHANGEL) CATALOGUE)》
⑬大いなる種族の遺跡(Ruins of the Gigantic Tribe)
:The MASTER of A GIGANTIC SPACESHIP who keeps Wandering(彷徨い続ける大いなる宇宙船の主人)
※透き通った美(See-through Beauty)
・オリジナル(Original) 2000m
・クローン(Clone) 35m[別の大いなる種族のクローン(clone of another Gigantic tribe)]
[◯“Height[m]” の色について
(About ◯“Height[m]” color)]
・“縮小投影クローン”比率
(“Reduced projected clone” percentage)
・色の違い(Difference in color)
緑(Green) :オリジナル(Original)
橙(Orange):クローン(Clone)
青(Blue) :ムーに由来(Derived from Mu)
[カタログ全体へのリンク]
→《大いなる種族(大天使)カタログ(The Gigantic Tribe(ARCHANGEL) CATALOGUE)》Page 1
→《大いなる種族(大天使)カタログ(The Gigantic Tribe(ARCHANGEL) CATALOGUE)》Page 2
《このカタログに関連したアートワーク(Artwork related to this catalogue)》
※リンク(Link)
→大いなる種族の遺跡(Ruins of the Gigantic Tribe)
《物語(Story)》
【大いなる種族の遺跡(Ruins of the Gigantic Tribe)】
母星が遺跡を発見した。
今まで把握されていない様式で造られた構造物が銀河の外れで彷徨っていた。
そして、遺跡に入った母星の探索チームは遭難した。
私達、非ヒューマノイドハンターに命令が下った。
母星の探索チームの救助と、遺跡の探索の命令であった。
ワープアウトした目の前に、その遺跡は浮かんでいた。曲線を多用した今までに見たことのないもの。それは優雅さをも感じさせた。
探索チームが連絡を絶つ前に送ってきた情報を元に入口を見つけた私達は、船をその直前まで移動させた。
その入口は、私達の船が同時に20隻は通れるだろう広さであった。
私達はそのまま船を入口から遺跡の中に移動させた。
最初は暗かった遺跡の中が、進むにつれ仄かに明るくなってきていた。
そして、船が探索チームの船を発見したと音で告げた。そしてその船は肉眼でも見えてきた。
船は見る限り、どこも破壊はしていない様だった。そして、私達の船の感知器も探索チームの船は正常であると言っていた。
だが、探索チームからの通信は何も無い。こちらが送っても何も反応しないのだ。
船を近づけた私達は、探索チームの船内に行くことにした。私と猫型種族が行くことになった。探索チームを思念で探る為の超能力を持つ私と、船の装置が故障している場合に直すことが出来る猫型だ。
探索チーム船のハッチを先ず私がくぐり、その後を猫型が続く。船に入っても私の思念は何も感じなかった。母星の船であるにも関わらず、同じ超能力を持つ者の思念を何も感じない。それは彼らが生きていないということを物語っていた。もしくは、船の中に居ない。
私達二人は通路を流れ、操縦室へ着いた。やはり何も感じない。猫型がハッチを開けるパネルにタッチした。スッとハッチが開き、操縦室の操縦パネルの明かりがパッと目に入ってきた。
『正常に動いてそうだな』と猫型が言う。
「でも誰もいない」と私。
他の区画も総て廻ったが誰も居なかった。そして船は総てが正常だった。
二人は自分達の船に戻り、通信でも伝えたことを再度仲間に伝えた。
『ガキ達は何処へ行っちまったんだぁ』『おっとぉ悪い、ガキなんて言っちゃいかんな、お前の前で』
「いいさ、私もそう想ってるよ」「彼らはガキさ」
本当に私の母星の人達は、傲慢で自分勝手で人はどうでもいい。先ず何でもやってみて、間違っていたら直ぐにやり直せばいいと想っている。本当にその名の通り、七歳の子供の集まりなのだ。
『もっと奥に行ってみようじゃないか』
『そうだね』
私達の船は奥へ進んでいった。
暫く進んだところで、突然船が進まなくなった。後ろには下がれるが前には進めない。船は何も故障はしていない。でも進まない。
何か私の感覚が今までにない淋しい感じを受け取っていた。これは…。
私は船の推進装置のデータを読み取り、自分の感覚の意味を知った。それは恐るべきことだった。
ダークマターが無いのだ。この先にはダークマターが無いと推進装置は告げていた。その有り得ない感覚を私は感じたのだ。
ダークマターは空間に充満している根本のエネルギー。そして、それは引力と斥力を司る。最近の宇宙船は殆どがこれを推進に使っている。
私はそれを感じ、操れる。しかし、それが無いという感覚は初めてだ。
探索チーム船はその為にあそこに停まっていたのだ。
私達は、船を置いて先に行くことにした。きっと、母星の探索チームはこの先に行ったのだ。
私達は逆V字に並んで進んだ。ダークマター推進ではない、噴射式ウエストパック推進器を着けて。
随分奥に進んでいった時、私は最初は微かに、そして直ぐに強烈に思念を感じた。
これは人独りの思念ではない。もっと多くの、だがざわついていない、とても整った思念、独りだけの様な思念。こんなに強烈なのに。
そして急に、出口が表れた。入口と同じ広い出口が。
私達は速度を落とし出口をくぐった。
しかし、そこには宇宙は無かった。そこはとてつもなく大きな空間であった。
そして驚くことに、そこにとてつもなく巨大な人が横たわっていた。
そして、その先の方から探索チームの微かな思念を感じ取った。それは息絶えそうな思念だった。
『また来たか』
突然、この巨大な空間に声が響き渡った。
巨大な人の声。
『お前達は違うな』
私は巨大な人に思念を送った。彼は受け取り、返してきた。彼は私達に敵意が無いことを感じ取り、彼も敵意を隠した。そして、探索チームが攻撃を仕掛け様としたことを伝えてきた。その結果、仕方なく思念攻撃をしたことを。そんな思念会話の間、探索チームの思念は消えていった。
私は彼らが同郷の者であることを伝え、彼らの近くに寄ることの了承を得た。巨大な人の上を飛び、探索チームに近づいた。既に彼らは皆、息耐えていた。
私達は探索チームの亡骸を自分達の身体と牽引ロープで繋ぎ止め、巨大な人の上に戻った。
私達は彼と会話をした。そして彼が大いなる種族と呼ばれた失われた種族の生き残りの一人であることを知った。
彼らは遥か昔に繁栄し、今は忘れ去られ、僅かな生き残りは皆、その記憶を未来に残す為、色々な手段で生き永らえているらしい。そして彼は、私達が遺跡と言っていたこの巨大な船のダークマターを排除する技術で簡単には船内に侵入出来ない様にしていたのだ。
私達は探索チームの亡骸を連れ、船に戻った。そして、探索チーム船を私達の船に追跡連結して、同調ワープをさせ、一緒に連れて帰った。