
mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 14.8×21×0.2cm(A5),
2026年
《この宇宙種族について(Regarding this space tribe)》
この宇宙種族は常に円形の盾を背負っている。
盾は直径60cm程で、球体を一部を切断した球冠と呼ばれる形をしている。
盾の表面には模様が施されており、一人一人が独自の模様を施している。外縁部の帯や模様の一部は彩色されている。
その為、後ろ姿でも模様を見れば誰なのかが判別できるのだ。
彼らの身長は1m程しかない。
この宇宙の支配種族である七歳の星の種族も身長が低い宇宙種族で身長1.2mなのだが、この宇宙種族は更に小さい。
この宇宙種族の直立した状態での後ろ姿は、頭部と脚部の膝から下だけが盾から飛び出している。
盾はとても軽い素材で出来ており重さが500g程しかなく、常に背負っていても全く負担ではない。
また、それ程の軽さでも強度はとても高く、2トンもの岩が直撃したとしても傷も付かないのである。
昔、この宇宙種族は国家間の戦争が長く続いた。
彼らの惑星の地形は大きな大陸が一つのみであり、戦争は歩兵のみの戦いであった。
戦時中の終盤に、この軽くて頑丈な盾が開発され、敵味方問わず支給された様だ。
彼らは盾を常に背負った状態で戦い続けた。
盾の中央部は厚みがあり、水や食糧等を保管できる様になっていた。
膝を曲げてうつ伏せになれば、すっぽりと盾の中に入ること出来て、完全防御姿勢となった。
皆が盾を背負っている状態では、戦況は膠着することとなった。
戦争の意味が失くなり、盾のお陰で長く続いた戦争は終わりを告げた。
戦争が終わっても、皆が盾を着けたまま生活する様になった。
命を護ってくれる盾を手放したくなかった様だ。
また、盾が戦争を終わらせてくれたという想いが、盾への愛着へと変わった様だ。
戦時中、直接戦闘に参加しておらず家を護っていた家族にも盾が支給されていた為、家族にも盾を背負う生活をする者が増えていった。戦争が終わっても盾を背負う家族も多かった。
戦時中、子供には支給されず、緊急時は家族の盾に一緒に護られていた。そして成人に成ると盾が支給された。
戦後も成人した子供に新しい盾を贈る家庭が多い。
この宇宙種族の総てが盾を背負って生活している訳ではないが、今でも多くの者が盾を背負って生活している。
最初に“この宇宙種族は常に盾を背負っている”と書いたが、厳密にはそれは外出時ということになる。
盾の中央部の保管庫に荷物や届け物等を入れている者も多い。
自宅に居る時でも盾を背負っている者も稀にいるらしいが、大半は盾を降ろす。
入浴時や睡眠時はほぼ皆が盾を降ろす。
上に、戦争中の完全防御姿勢のことを書いたが、これは盾を背負っている状態で盾の中に入る姿勢である。
盾を降ろせば、うつ伏せになる必要はない。
膝を抱えて横になれば、全身に盾を被せることが出来て、すっぽりと盾のドームに入ることが出来る。
戦時中はこの様にして睡眠をとった様だ。
この宇宙種族の中には、今でもこの様にして盾の中で睡眠をとる者もいるそうだ。
《この宇宙種族の身長と彼らの盾のサイズ(The Height Of This Space Tribe And The Size Of Their Shield)》
・この宇宙種族の身長:1m
・盾の直径:60cm
《兵隊の完全防御姿勢(Soldier’s Full Defensive Posture)》
・高強度の盾を被る姿勢に成ることにより、完全防御が出来る。
・戦闘中の為、直ぐに戦闘に移ることが出来るうつ伏せの姿勢をとる。
[完全防御姿勢に成る方法]
①先ず腰ホルダーの左側に設定されたスイッチを押す。
②腰を引いて盾の中に収まる姿勢に移り始めると、メイン保持アームとサブ保持アームと肩ホルダーが電動で変形を始める。
③変形に導かれながら盾の中に収まる。
[通常姿勢に戻る方法]
①先ず腰ホルダーの左側に設定されたスイッチを押す。
②四肢で身体を起こし始めると、メイン保持アームとサブ保持アームと肩ホルダーが電動で変形を始める。
③変形に押されながら盾から出て立ち上がる。
・メイン保持アームとサブ保持アームと肩ホルダーを電動で変形させるバッテリーは盾の中央部の奥に搭載されている。
《兵隊の睡眠時の姿勢(Soldier’s Sleeping Posture)》
・防御の為に盾の中で睡眠をとる。
・楽な姿勢で睡眠をとる為に、膝を抱えた横向きの姿勢をとる。
[睡眠時の姿勢に成る方法]
①腰ホルダー後部のスイッチを押すと、メイン保持アームとサブ保持アームが腰ホルダーから外れる。
②メイン保持アームとサブ保持アームが盾内部スペースが最大に成る様に内壁に最接近する状態に移動する。
③横向きの姿勢で盾を被り、膝を抱える。
・尚、睡眠時の盾内の空気を入れ替える為の溝を盾の縁部の地面に掘っておくことを忘れないようにしないといけない。
《完全防御姿勢スイッチと睡眠姿勢スイッチ(Full Defensive Posture Switch And Sleeping Posture Switch)》
・完全防御姿勢に成る時は慌てていることを想定しており、操作ミスを防ぐ為に、完全防御姿勢スイッチと睡眠姿勢スイッチとは敢えて全く異なる位置に設定されている。
・完全防御姿勢スイッチは即座に押せる腰ホルダーの左側に設定されている。
・睡眠姿勢スイッチはメイン保持アームとサブ保持アームを身体から分離させるスイッチであり、間違えて押してしまうことを防ぐ為に腰ホルダーの後部に設定されている。