ーHare's worldー 晴れ(Hare)が紡ぎ出す絵と物語 宇宙の生命、それらが憧れる地球の女神 魅惑の世界が広がる Arts and stories spun by Hare. Lifeform in the universe, the goddess of the earth that they yearn for, the fascinating world spreads

【売却済 Sold】
始まり(Beginning)

acrylic,
canvas 32×41×2cm(F6)
2016年
¥54,000(消費税込) 売却済 Sold



これは私にとって、とても意味のある物語。
私、そして私達が10億年前にこの地球を見つけたことに繋がる出来事。
そう、私が故郷の星を追放される切っ掛けとなった出来事です。


《物語(Story)》

【始まり(Beginning)】

私は扉の前に立った。
光輝く扉の前に立ちすくんだ。
それは、金属でも木材でも鉱物でもない扉。
粒子状エネルギー体の流れの集まりだ。
青緑に輝いている。
だが、扉をどう抜ければいいのか。

私はこの宙域に初めて訪れた。
この宙域には宇宙連合も殆ど訪れない。
私は宇宙連合を創った種族、そして、宇宙の支配種族。そして、私は支配種族では誰もやらない、非ヒューマノイドハンター。
母星で嫌われ者の私は、どの部隊にも入れずこの仕事をやっている。
母星は宇宙を更に侵略する為、ずっと戦い続けている。子供は生まれて直ぐにカプセルの中で10年間の詰め込み教育をなされ、生まれ持った特技を延ばす様に育てられる。
私達の種族はとても超能力が強く、そして傲慢。
あっという間に宇宙を支配してしまった。
私は傲慢だけのこの悪魔種族の中では、異端児だった。変態と呼ばれた。
私は悪魔の中で唯一生まれた、光を求め、愛を理解する存在。
私は闇と光、陰陽を合わせ持つ悪魔種族という、宇宙で唯一の存在として、母星からも、それに従う宇宙種族からも嫌われた。

そして私は、支配種族に従う星で、私と同様に何かしら除け者として扱われている者達と、この仕事を一緒にやっている。
ハントすべき非ヒューマノイド種族には、肉眼の眼では本体が見えないもの、また何も見えないものも多い。そして、この宇宙は非ヒューマノイドが96%なのだ。
非ヒューマノイドハントには、私の様な支配種族が不可欠なのだ。サードアイでそれらが見える者が。
そして嫌われ者の私は、打ってつけなのである。
ただ私の種族は身長120cmしか無い為、この仕事には不都合も多い。その点、仲間は頼もしい存在だ。

私達5人のハンターは、銀河の中腹の銀河の腕から外れた宙域に生息する或る非ヒューマノイドを求め、やって来た。
そして今、太陽を廻るアステロイドベルトの岩の1つに、その気配を感じた私は、仲間にその事を告げ、内部への入口を探し当て、今ここに居る。

実はこの光の扉は私にしか見えない。
私を含め5人は、1人は船に待機、あとは2人づつ組んで内部の通路を捜索した。
そして私はこの見えない筈の扉を見つけた。
私が先に見つけて良かった。
私と組んだ仲間は後ろに居た。そして、もう2人は別を捜索していた。この扉はどうやら、触れたものを殺傷してしまう様なのだ。見えない罠なのだ。
だが、この向こうにハントするべき非ヒューマノイドが居ると、私の感覚が知らせている。

後ろの仲間は、もう2人に連絡し、こちらに来る様に指示している。
4人が揃ったのを確認し、私は非ヒューマノイド種族に思念接触を試みた。
微かにざわつく様な音が頭に響く。
そして、突然言葉が響く。知らない言葉。
私はもう一度言葉として投げ掛ける。
すると、標準語が返ってきた。
『いや、誰、来ないで』
私は嘘と本音が半々の言葉を返した。
「何もしない、逢いに来ただけ」
何度かやり取りを繰り返し、彼女は扉を開けることに同意してくれた。
(彼女と言っているがこの種族に性別は無い。
ただ言葉遣いが私達の女性に似ているのだ。)
私達は扉があった穴をくぐり、中に入った。
中は真っ暗であった。ただ、私にとっては仄かに明るい。サードアイで見ているからだ。
そこは3辺が40m程もある、以外に広い空間だった。
私は仲間3人を大丈夫だと促し、前に進んだ。
とその時、部屋の中央で白い光の玉が光りだした。優しく、明るく、涼しく、暖かく。
仲間には光の玉しか見えないだろう。
私には、その後、色とりどりに輝く彼女の身体全体が浮かび上がるのが見えた。
何と美しい姿なのだろう。
私は暫く立ち尽くした。
仲間も光の玉を見て立ち尽くした。

彼女は最初、私の悪魔の青色の姿を見て動揺したが、直ぐにそれは無くなった。
私の心を覗いたからだ。私の陰陽の心の、光の部分に安心したからだ。
私は扉があった穴をくぐりながら、彼女に話し掛けていた。私という存在の意味を。

立ち尽くしていた私達に、彼女は話し掛けてきた。
私は彼女の言葉を受け取り、仲間に伝える。
頭の中に響く言葉を。
彼女は言った。
私達はもう数える程、僅かにしか残っていない。
悪魔種族に私達の星、私達の星系は滅ぼされた。
そして、僅かに残った者は星の残骸の中に隠れ住んでいると。

そうなのだ、私の母星は、この種族を滅ぼした。
そして今、私を送り、最後の1体まで根絶やしにしようとしたのだ。そんな役目を私にやらせたのだ。
母星はこの種族を見つけた時、この種族を危険と判断した。それは光を求め、愛を知っていたからだ。

私は、今まで遠いところに追いやっていた、心の揺さ振りを覆い隠せなくなってしまった。
直接、彼女の心の声を聴いた私は、悪魔種族としての自分と、光としての自分とを衝突させてしまった。
悩んだ末、そして、やはりそれしかないと想い、
そして、決断した。

私は彼女を護ることにした。
それを知った仲間も同意した。
彼らも私と少なかれ同じ境遇なのだ。

私達は彼女をそのままにして去った。
僅かに残る彼女ら種族を見護るように。

私にとって、この出来事は母星からの私の追放へと繋がることになる。
そしてハンターの仲間と一緒に宇宙をさ迷い、
支配に刃向かう銀河星団と呼ばれる少数の星々の人達に受け入れられ
母星と戦い、銀河の辺境へ逃げ、
地球という、この宇宙のものではない星と出逢うこととなるのである。

そして、地球は母星に滅ぼされる。

そして私は今もここに居る。

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