mechanical pencil,
acrylic,
illustration board 26×18×0.2cm(B5)
2022年
《物語(Story)》
【ティアルツー空気のように軽い宝石ー(The TialzーThe light jewels like airー)】
この宝石は少しだけ特殊だ。
それは、この宝石の生成についてのことである。
この宝石は、大地に埋まっていたりすることもなく、無理やり圧力を掛けて造り出されるものでもない。
この宝石は特殊な能力を持った者達の手から生まれる。
そう、魔法使いの手のひらから生み出される宝石なのである。
それらは、見る限り通常の宝石と変わらない。
緑色のもの、青色のもの、赤色のもの、黄色のもの、色々な色彩のものがある。
硬度も通常の宝石と変わらないし、種類によって様々である。
だが、それらに触れると、初めての時は自分の感覚が信じられなくなる。いや、何度触れても不思議な感覚を伴う。
とにかく軽いのだ。本当に空気のように軽い。
魔法使いが創り出すからといって、幻ではない。時間が経つと消えて無くなるといったこともない。
そしてこれは実は、魔法使いが創り出しているのではなく、他の次元から移してきているのだ。
《“ティアルツ”と呼ばれる宝石(The jewels called “Tialz”)》
彼らティアルツは、斥力を操ることが出来る鉱物である。
(因みに鉱物も、動物や植物と同様に生命体である。)
彼らは、空間自体の次元エネルギーを引き出す能力で、引斥力のうち斥力のみを操作している。
普段は、その斥力を自分自身が浮かない程度に、惑星の重力に逆らう方向に働かせている。だから、空気のように軽いのである。
そして、緊急時や、私たち魔法使いが頼んだ時は、斥力を更に大きくして空中に浮かぶことが出来るのである。
(引斥力を持つものとしてダークマターやダークエネルギーがあるが、これらは通常、次元エネルギーとして空間自体に仕舞われているものである。引斥力を操ることが出来る者達はダークマターやダークエネルギーを操作しているのである。)
《夢の中での出来事(Events in my dreams)》
2019年11月30日 朝4時過ぎ、私は奇妙な夢を見た。
私は夢の中の世界で、両手から宝石を噴出していた。
“出す”という私の思念に伴い、手のひらから宝石が湧き出していた。(普段の、手からエネルギーを出す時と同じ感覚である。)
それらの宝石は、この夢の中の妹の為に出したものである。(今生の私には妹はおらず、また初めて会った人であるが”妹”だと感じた。)
緑色のもの、青色のものが主に涌き出ている。赤色や黄色のものもある。
すかさず2度目に宝石を出した時、その妹は『凄い、手からどんどん涌き出てる』とビックリしながらも喜んでいた。
そう、”出す”と想えば、いくらでも手のひらから出るのである。
そして、その宝石を手に取った妹は、『うわぁ、軽い』と驚いていた。私もそれらを手に取り、その軽さに驚いた。自分自身で出した宝石なのに、私は初めてその宝石を見て触ったのである。
皆3、4cmはあり、大きいものは6、7cmもある。それは原石ではなく既にカットがされている。
そして突然、私と妹のそばに現れた髭面の男(知り合いだと想う)が言った。
『これは、ティアルツだ』と。
そこで私は目が覚めた。
奇妙な夢だった。
目覚めた私の脳裏にティアルツという言葉が焼き付いていた。
そして妹の顔、髭面の男の顔………手のひらから宝石を出す感触。
その感触は、今生の私が手からエネルギーを出す感触と同じであった。
今の夢は、今生の私の意識が時空を遷移し、私の過去生の意識に同調したのかもしれない。
そして、目覚めた私の心に、この宝石の物語が流れ出す。
そしてそれを私は書き留める……