mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 26×18×0.1cm(B5)
2021年
《物語(Story)》
【The Bone-covered Evil[邪悪な古代種族達 #1(The Evil ancient tribes #1)]】
月明かりの下
その種族は現れる
何も無い夜の浜辺に
突如として現れる
ざわめき揺らぐ空間が
その種族をここへ運ぶ
月明かりに照らされた巨体
三本足に支えられ
何かを彷彿とさせる骨に巻かれ
鮮やかな踊る光を放出する
何の為に現れるのか
何の為の光なのか
夜明けの前の神聖な時
再び空間は揺らぐ
その種族が消えた後
何も無い浜辺には
得たいの知れない臭いだけが漂う
朝日の熱に空気が動きだし
空気自体が焼けたような臭いが
辺り一面に拡げられる
ああ
また邪悪が来たんだと
人々は畏れ噂する
とても甲高い鳴き声がしたと幼い子供は言う
震える靄の中に消えたと早起きの老人は言う
空に光が踊っていたと眠れぬ少女は言う
何の為にこの世界にやって来るのか
理由が解らぬまま
その種族は伝説となる
千年以上続く伝説となる