ーHare's worldー 晴れ(Hare)が紡ぎ出す絵と物語 宇宙の生命、それらが憧れる地球の女神 魅惑の世界が広がる Arts and stories spun by Hare. Lifeform in the universe, the goddess of the earth that they yearn for, the fascinating world spreads

神として祀られた虫ー洞窟の奥深くに棲息する気高き生命体ー(The Bug Worshipped As A GodーThe High-Minded Life Form That Living Deep Inside The Caveー)

神として祀られた虫ー洞窟の奥深くに棲息する気高き生命体ー

mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 21×14.8×0.2cm(A5),
2026年



《物語(Story)》

【神として祀られた虫ー洞窟の奥深くに棲息する気高き生命体ー(The Bug Worshipped As A GodーThe High-Minded Life Form That Living Deep Inside The Caveー)】

噂を聞き付けた私はこの地方の山奥にやってきた。
噂が真実かどうかは今は解らないが、私は直感で真実だと確信している。
ここに目的の洞窟が在るに違いないと私は思うのだ。
麓の寂れた村の住人に私は噂のことを確かめた。
その若い村人は祖父なら解るかもしれないと言いながら家の奥に祖父を呼びに行った。
呼ばれて玄関まで出てきた老人に私は挨拶をし、老人は噂のことを聞かせてくれた。
この村の目の前の山の奥に洞窟があるらしく、その洞窟の奥に噂のモノは存在しているらしい。
老人は見たことがある訳ではなく老人の祖母から聞かされた話なのだという。
孫の若者も驚きながら祖父の話を聞いていた。
私は老人と孫の若者にお礼を言って山に向かった。

私は生物学者であり、特に虫について研究している。
虫全般を研究しており、昆虫や多足類やクモ形類や甲殻類及び軟体動物や環形動物などである。
一年程前に知人から巨大虫の噂を聞いたのだが、それからその噂が頭から離れなくなった。
そして最近また、別の知り合いから同じ巨大虫のことだと思われる話を聞いたのだ。
その話では巨大虫の存在する場所まで特定されていた。
私は意を決して長期休暇を取得し、この地方までやってきた。
最近知り合いから聞かされた話では、場所の他に山奥と洞窟というキーワードもあった。
私はこの地方の町や村を回り、噂について聞き回った。
何日も聞き回ったが、噂について知る者はいなかった。
だが今日、先程の
老人に巡り会ったのだ。
老人の話は、山奥と洞窟というキーワードも一致している。
私はやはり真実だったのだと心が高鳴った。

私は麓の村から続く山道を歩き、山に入っていった。
山道は途中から道とは呼べなくなっていった。人は誰も入っていない山奥まで来たのだ。
私は胸が踊っていた。
この何処かに老人が言っていた洞窟がある筈なのだ。
洞窟は子供なら普通に入れる大きさだという。腰をかがめれば大人でも入れるらしい。
しかし老人が話す内容は総て、老人がその祖母から聞いた話なのである。どこまで本当の話か解らないのも事実だ。
だが私は信じていた。

どれだけ歩いただろうか、少し右手の方の木々の間から見える斜面に穴が空いているのが見えた。
私は穴に向かって歩いていく。
近くまで来ると、それが洞窟の入口だと確信した。
入口の左側の斜面からの土砂が入口の中にまで流れていて少しだけ埋まっていたが、入ってはいけそうだ。
私はライトを取り出してスイッチを入れて、前方と足元とを照らす。そして腰をかがめながら洞窟に入っていった。
中腰で歩き進め、段々と冷えてくる洞窟内の気温に気持ち良ささえ感じていた。寒くなってきたなら、インナースーツの暖房スイッチを入れれば良いのだ。

どのくらい進んだのだろう、前方が広くなっているのに気が付く。ずっと腰をかがめて歩いているので背伸びが出来ると思うと有難い。
ああ、やっと中腰から解放された。
背伸びをした後、私はライトを広角モードに変更して前方に向け、広くなった空間の前方全体を明るくした。
広角モードにしても、ライトの下部に設定されているサブ足元ライトは足元を照らし続けている。

そこはとても広い空間だった。
直径が100mはあるだろうか、半球状のドームのような空間だった。
一見何も無いようだが、私は前方に歩き始める。
ドーム内の向かいの壁の方に何かがある。
もっと近づいていく。
何か塔のようなものがあるのだ。
高さは15m程はあるだろうか。洞窟の土に対して少しだけ赤っぽい色をしている。
上に行くに従い少しだけ細くなっていて、上には何か赤いものがあるようだ。
私はライトを広角モードのままで指向性輝度ライトのスイッチも入れて、前方全体を照らしたままで塔の天辺の赤いものを特に明るく照らした。

半球を押し潰した様な毒々しい赤いモノがそこには在った。
これが巨大虫なのか。
やっと見つけたのかも知れないという想いで心を踊らせながらも、私は身震いする。

その時、声が響いた。
私と巨大虫だろうモノしか居ない空間に声が響いた。
私は固まる。
また声が響いた。
『誰だ』
それは人の声だった。
私は声の主を捜した。照らされた前方全体には誰も居ない。
後ろを照らしても誰も居ない。
そしてまた声が響く。
『こっちだ、後ろだ』
私は塔の方を向く。だか誰も居ない。
『私だ』
そう声が響く。
その時、塔の天辺の巨大虫だろうモノの先端から何かが伸びて、私の方に降りてきた。
『私だ、お前のマインドに直接に話し掛けている』

彼は大昔からこの地方に存在していて、300年程前までは神として祀られていたそうだ。
塔は彼の脱皮した甲殻と排泄物の固まったもののようだ。
永年の年月と伴に高くなっていったらしい。
彼は食物を摂取することはなく、空間に織り畳まれて存在するエネルギー量子から直接にエネルギーを摂取している様で、排泄物といっても身体の細胞の代謝で不要になった成分であり、食物を食べた排泄物ではない。
70年ほど前に人の女性と話したきり、久し振りに人と話したと彼は喜んでいた。
その女性、村の老人の祖母なのではないかと私は思う。老人の祖母はこの巨大虫に実際に逢っていたのだ。
彼は今はずっと一人で塔の上で暮らしているのだそうだ。
寂しくはないのですかと訊ねてみたが、この山やこの地方の色々な場所に出掛けるから寂しくはないとのこと。
しかしながらこの空間には出口はないし、洞窟の出入口は彼には狭すぎる。
どうやって出掛けるのかと訊ねると、彼はマインドを飛ばすのだと言う。
肉体からマインドを分離して、マインドというエネルギー体として出掛けるのだと言う。
高みの者達はそういうものなのだと言う。
振動数の高い存在達は本来の身体であるエネルギー体で活動することが出来るのだと言う。

私はあるお願いをしてみた。
またあなたにお逢いしに伺っても良いですかと。
彼は快く承諾してくれた。
そして帰る為に狭い洞窟へ向かおうと後ろへ向いた私に彼は声を掛ける。
『また中腰は大変だろう、送ろうか』と彼は言う。
彼の方へ向き直った私は、送ろうかとはどういうことですかと訊ねる。
『テレポートだよ』と彼は言う。
まさかそんなことまで出来るのかと驚きながら、私は彼にお願いする。
『今度来る時は入口からここまでもテレポートするよ』と彼は言う。そして『入口で呼び掛けてくれれば良いよ』とも言う。
私は解りましたと応える。
『では、また』と彼が言うと同時に、私の視界は揺れる。
そして視界がクリアになると、そこは洞窟の入口の外であった。

不思議に外はまだ明るく、二つ在る太陽の大きい太陽が結構高くに位置している。もう一つの小さい太陽はその右下の方に在る。
彼とは随分と話をした筈であるし、洞窟を移動するのにも結構時間が掛かった筈だ。そして洞窟の入口に入ったのは午後も半ばの筈である。
少なくとも夕方でなければならない筈だし、暗くなっていてもおかしくはない。
どうやらあのドーム空間は時間の進み方も異なるのかも知れない。
「よし、また直ぐに休暇を取って逢いに来よう」
私は太陽を仰ぎながら麓の村に向かって歩き出した。

私は洞窟のことを教えてくれた老人と若者が住む村に立ち寄った。
彼のことや彼が老人の祖母のことを覚えていることを伝えたかったのだ。
老人は私の話を聞いて懐かしそうに微笑んでいた。祖母のことを想い出しているのだろうと私は想った。
老人の孫の若者はずっと驚いた顔で私の話を聞いていた。
私は二人と話をしていて違和感を覚えた。
ある程度話し終わった頃に老人がこう言ったのだ。
「丸2日間も洞窟の中に居たのかな」
丸2日とはどういうことかと聞き返した私に、老人は思いも寄らないことを告げた。
私に洞窟のことを教えたのは一昨日だと言うのだ。
私は驚きながらも違和感が晴れていくのを感じた。
私は勘違いをしていた。
洞窟に入っていた間に、外の時間の流れが遅くなっていたと想い込んでいたのだ。
洞窟内での何時間かが外では殆ど経過していないと考えていたのだ。
実際はそうではなかった。
外の時間の流れが速くなっていたのだ。
洞窟の中の時間の流れが遅いのだ。
そして私は、成る程、それは当然なことなのだろうと気付いた。
洞窟の彼は神として祀られる程の高みの存在。
その様な彼のマインドや身体の振動数はとても高い。
振動数が高いというのは、重力が大きいことや速度が高いことと同等のことであり、時間の流れに影響を与える。
振動数が高い者は、重力が大きいことや速度が高いことと同じく、周りの空間に対し、時間の流れが遅くなるのだ。
あの洞窟内の空間は彼の影響で他の空間より時間の流れが遅くなっているのだろう。
そこに一緒に居た私も、洞窟内での何時間かが外では丸2日間になってしまう程の時間の流れの相違を体験したのだ。
そして、彼はとても高みの存在なのだろうと私は改めて想った。
何時間かが丸2日間になってしまう程の振動数の高さなのだ。
彼は時間の流れに対し10倍もの影響を及ぼしてしまうのだ。
速度に置き換えるとそれは、光速の99.5%で移動していることになるのだ。
彼は全く驚異的な存在なのである。
私は老人と若者の前で唖然とした顔を数分間もしてしまう。
そして私は二人に話すのだった。
丸2日間が私にとっては何時間かしか経過していないこと。
そして洞窟の中に居る彼がとてつもなく凄い存在なのだということを。


《巨大虫について(Regarding The Giant Bug)》

大昔から山々が連なる地方に存在していて、300年程前までは神として祀られていた存在。
山深くの洞窟の奥の直接100mほどのドーム空間に棲息しており、15m程の塔の天辺に居る。
塔は彼の脱皮した甲殻と細胞代謝成分が固まったものであり、永年の年月と伴に高くなっていった。
彼は食物を摂取することはなく、空間に織り畳まれて存在するエネルギー量子から直接にエネルギーを摂取している。食物を食べることによる排泄は行わず、身体の細胞の代謝で不要になった成分が排泄される。
身体の先端にある頭部は、長く伸びる首によって身体から離して自由に動かすことが出来る。首はしなやかに曲がるように連鎖するクリスタルで出来ている。
脚は左右4本づつの8本であり、先端にはそれぞれ2本の鉤爪が付いている。
胴体の上部には左右2つの赤い透明なドームがある。
この2つのドームはチャクラである。

彼は、エネルギー体の離脱、テレパシー、テレポーテーションといった超能力を有している。

・屈まないと通れない洞窟の長さ:153m


《巨大虫の大きさ(The Size of The Giant Bug)》

・体長:5.5m
・全幅(胴体):4.5m
・厚み(赤い透明ドームも含む):3m
・首の長さ:少なくとも10m程は伸ばせる様だ

※8mもの巨大な虫ともなると、外甲殻だけでは惑星の重力に耐えるには重過ぎる為、薄い外甲殻と内骨格の両方を有している。


《物語の主人公 The Protagonist Of The Story》

虫全般を研究する生物学者


《ライト Electric Torch》

物語の主人公が使用しているライト。

①メインライト
・通常モードと広角モードが選択できる。
・光源が前に移動し反射鏡が広角に成る。
・広角モードの光源位置はランダムに選択可能であり、照明範囲をランダムに選択できる。

②指向性輝度ライト
・メインライトとは別に、照明方向を絞って特に明るく照明できる。
・メインライト使用時でも併用できる。
・メインライトの上部に設置されており、不要時は格納される。

③サブ足元ライト
・足元を照らすライトであり、ライト本体の下面に設置されている。
・メインライトや指向性輝度ライトと併用できる。

④操作パネル
・取っ手部の前方のライト本体の上面に設置されている。


《このアートワークに関連する構造説明図(structural drawing related to this artwork)》

※リンク(Link)
神として祀られた虫ー洞窟の奥深くに棲息する気高き生命体ー[構造説明図](The Bug Worshipped As A GodーThe High-Minded Life Form That Living Deep Inside The Caveー[structural drawing])


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