
mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 18×26×0.2cm(B5)
2026年
【戦闘機の操縦方法(How to Pilot The Fighter)】
《操縦桿システム(Control Stick System)》
パイロットが戦闘機を操縦する為のシステム。
パイロットが操作する本システムの端末のことを操縦桿システムと呼ぶことも多い。
<パイロット搭乗/降機時の操縦桿システムの操作>
操縦桿システムの端末はパイロット不在時は座席の座面の上部空間に浮遊した状態で固定されている。
パイロット搭乗時は、パイロットが操縦桿システムの端末に触れることで、浮遊した状態のまま固定が解除され、パイロットにより位置を移動可能な状態になる。
操縦桿システムの端末を移動させ、パイロットが座席に着座した後、パイロットが操縦桿システムの端末を空間ロックさせたい位置で相対空間ロックスイッチを長押しすることで、操縦桿システムの端末はコクピット内の空間に浮遊した状態で固定される。
パイロット降機時は相対空間ロックスイッチを長押しすることで固定が解除される。
パイロットの離席後、操縦桿システムの端末は自動で座席の座面の上部空間に移動し、浮遊した状態で空間ロックする。
<操縦桿システムの各部位>
[相対空間ロック球(Relative Space Lock Ball)]
操縦桿システムをコクピット内の空間に浮遊した状態で固定する為のダークマター推進球。
操縦桿システムの下面に設定されている。
[相対空間ロックスイッチ(Relative Space Lock Switch)]
操縦桿システムをコクピット内の空間に固定させるスイッチ。
相対空間ロックをOFFするには再度相対空間ロックスイッチを押すことでスイッチOFFになるオルタネイトタイプ(Alternate type)のスイッチ。
スイッチON/OFFは数秒間押し続ける必要がある。
操縦桿システムの下面の相対空間ロック球の後部に設定されている。
[操縦桿(Control Stick)]
パイロットが操縦桿を手で握って操作することで戦闘機を操縦することが出来る。
操縦桿システムの上面に設定されている。
[巡航スイッチ(Cruise Control Switch)]
操縦桿を操作中に巡航スイッチをONにすることで、その時点の操作状態を維持するスイッチ。
巡航をキャンセルするには再度巡航スイッチを押すことでスイッチOFFになるオルタネイトタイプ(Alternate type)のスイッチ。
操縦桿システム本体部のパイロット側面に設定されている。
左手で操作する。
[姿勢制御スイッチ(Attitude Control Switch)]
操縦桿のスライド移動の操作中に姿勢制御スイッチをONにすることで、その時点のスライド移動操作ポイントで操縦桿の傾き操作が出来る様になり、その時点のスライド移動状態で機体を傾けることが出来る。
押している間のみ姿勢制御スイッチがONになり、指を離すとスイッチがOFFになるモーメンタリタイプ(Momentary type)のスイッチ。
操縦桿の先端部前方の下側に設定されている。
人差し指で操作する。
[スピンスイッチ(Spin Switch)]
操縦桿のスライド移動の操作中にスピンスイッチをONにすることで、その時点のスライド移動操作ポイントで操縦桿の右側又は左側への傾き操作が出来る様になり、その時点のスライド移動状態で機体を右スピン又は左スピンさせることが出来る。
押している間のみスピンスイッチがONになり、指を離すとスイッチがOFFになるモーメンタリタイプ(Momentary type)のスイッチ。
操縦桿の先端部前方の上側に設定されている。
人差し指で操作する。
[スタビライザー展開スイッチA(左右への展開)(Stabilizer Deployment Switch A (Deployment to The Left and Right))]
操縦桿のスライド移動の操作中にスタビライザー展開スイッチAをONにすることで、スタビライザーが左右へ展開される。
スタビライザー展開後は、操縦桿の右側又は左側への傾き操作により機体の右側又は左側へのスピン反転が可能になる。
姿勢制御移動中にスタビライザー制御スイッチAをONにした場合は操縦桿の傾き操作による姿勢制御移動はキャンセルされる。
操縦桿システム本体部の左側側面のパイロット側に設定されている。
左手で操作する。
[スタビライザー展開スイッチB(上下への展開)(Stabilizer Deployment Switch B (Deployment to The Upward and Downward))]
操縦桿のスライド移動の操作中にスタビライザー展開スイッチBをONにすることで、スタビライザーが上下へ展開される。
スタビライザー展開後は、操縦桿の前方又は後方への傾き操作により機体のフロントフリップ又はバックフリップが可能になる。
姿勢制御移動中にスタビライザー制御スイッチBをONにした場合は操縦桿の傾き操作による姿勢制御移動はキャンセルされる。
操縦桿システム本体の左側側面の中央に設定されている。
左手で操作する。
[スタビライザー展開キャンセルスイッチ(Stabilizer Deployment Cancel Switch)]
スタビライザー展開キャンセルスイッチをONにすることで、スタビライザー展開はキャンセルされ通常状態に戻る。
操縦桿システム本体の左側側面のパイロットと逆側に設定されている。
左手で操作する。
[クリスタルキャノン発射スイッチ(Crystal Cannon Firing Switch)]
クリスタルキャノン発射スイッチをONにすることで、クリスタルキャノンを発射することが出来る。
モーメンタリタイプ(Momentary type)のスイッチであり、押している間はクリスタルキャノンのエネルギー弾を連射する。
操縦桿の先端部上方に設定されている。
親指で操作する。
[高出力クリスタルキャノン発射スイッチ(High-Power Crystal Cannon Firing Switch)]
操縦桿の先端部左側にあるスライドスイッチを下方へONにすることで、クリスタルキャノン発射スイッチが通常のON位置より更に奥に押し込むことが出来る様になる。
クリスタルキャノン発射スイッチを更に奥に押し込むことで、クリスタルキャノンが機体前方へ展開され高出力クリスタルキャノンを発射することが出来るモードになる。
クリスタルキャノンは通常はエネルギー弾を連射するが、高出力モードではエネルギー弾20発分の高出力エネルギー弾を発射する。
高出力クリスタルキャノン発射モードもモーメンタリタイプ(Momentary type)のスイッチであり、スイッチを押すことで高出力エネルギー弾が発射される。
スイッチを押し続けることで高出力エネルギー弾の連射も可能だが、連射の間隔は2秒程に大きくなる。
操縦桿の先端左側にあるスライドスイッチを上方へOFFにすることで、高出力クリスタルキャノン発射モードはキャンセルされ、クリスタルキャノン発射スイッチは通常の位置に戻る。
操縦桿の先端部上左側に設定されている。
親指で操作する。
[スライドスイッチ(Slide Switch)]
スライドスイッチを下方へONにすることで、クリスタルキャノン発射スイッチが通常のON位置より更に奥に押し込むことが出来る様になる。
クリスタルキャノン発射スイッチを更に奥に押し込むことで、クリスタルキャノンが機体前方へ展開され高出力クリスタルキャノンを発射することが出来るモードになる。
操縦桿の先端部上方に設定されている。
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《基本操縦(Basic Flight Controls)》
[スライド移動(Slide to Move)]
※メインダークマター推進球(Main Dark-Matter Propulsion Ball) (①)を操作する移動。
操縦桿を全方向(前後、上下、左右、全ての斜め方向)にスライド操作することにより、機体を全方向(前後、上下、左右、全ての斜め方向)にスライド移動させる。
操作節度としては、前後、上下、左右、それぞれの斜め45°方向への操作がしやすく調整されている。
操作節度的には入り辛いが、斜め45°以外の全ての斜め方向にも操作が可能になっている。
[姿勢制御移動(Attitude-Control Move)]
※①+姿勢制御用ダークマター推進球(Attitude-Control Dark-Matter Propulsion Ball)を操作する移動。
操縦桿のスライド移動の操作中に姿勢制御スイッチをONにすることで、その時点のスライド移動操作ポイントで操縦桿の傾き操作が出来る様になり、その時点のスライド移動状態で機体を傾けることが出来る。
[スピン移動(Spin to Move)]
※①+姿勢制御用ダークマター推進球(Attitude-Control Dark-Matter Propulsion Ball)を操作する移動。
操縦桿のスライド移動の操作中にスピンスイッチをONにすることで、その時点のスライド移動操作ポイントで操縦桿の左右への傾き操作が出来る様になり、操縦桿を右側又は左側へ傾けることでその時点のスライド移動状態で機体を右スピン又は左スピンさせることが出来る。
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《応用操縦(Advanced Flight Controls)》
[スタビライザー展開による制御(Control via Stabilizer Deployment)]
※①+姿勢制御用ダークマター推進球(Attitude-Control Dark-Matter Propulsion Ball)を操作する移動。
〈A:左右への展開(Deployment to The Left and Right)〉
操縦桿のスライド移動の操作中にスタビライザー展開スイッチAをONにすることで、スタビライザーが左右へ展開される。
スタビライザー展開後は、操縦桿の右側又は左側への傾き操作により機体の右側又は左側へのスピン反転が可能になる。
姿勢制御移動中にスタビライザー制御スイッチAをONにした場合は操縦桿の傾き操作による姿勢制御移動はキャンセルされる。
〈B:上下への展開(Deployment to The Upward and Downward)〉
操縦桿のスライド移動の操作中にスタビライザー展開スイッチBをONにすることで、スタビライザーが上下へ展開される。
スタビライザー展開後は、操縦桿の前方又は後方への傾き操作により機体のフロントフリップ又はバックフリップが可能になる。
姿勢制御移動中にスタビライザー制御スイッチBをONにした場合は操縦桿の傾き操作による姿勢制御移動はキャンセルされる。
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《クリスタルキャノン発射(Crystal Cannon Firing)》
クリスタルキャノン発射スイッチをONにすることで、クリスタルキャノンを発射することが出来る。
クリスタルキャノン発射スイッチを押している間はクリスタルキャノンのエネルギー弾を連射する。
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《高出力クリスタルキャノン発射(High-Power Crystal Cannon Firing)》
操縦桿の先端左側にあるスライドスイッチを下方へONにして、クリスタルキャノン発射スイッチを押すと、クリスタルキャノンが機体前方へ展開され高出力クリスタルキャノンを発射することが出来るモードになる。
高出力クリスタルキャノン発射スイッチを押し込むと高出力クリスタルキャノンを発射する。
スイッチを押し続けることで高出力エネルギー弾の連射も可能。
クリスタルキャノンは通常はエネルギー弾を連射するが、高出力モードではエネルギー弾20発分の高出力エネルギー弾を発射する。
連射の間隔は2秒程に大きくなる。
操縦桿の先端左側にあるスライドスイッチを上方へOFFにすることで、高出力クリスタルキャノン発射モードはキャンセルされ、クリスタルキャノン発射スイッチは通常の位置に戻る。
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【ホログラム操縦計器スクリーン(Holographic Instrument Panel Screen)】
座席後ろの左右壁の照射ラインからホログラム操縦計器スクリーンが照射され、座席を囲む様にスクリーンが設置される。
各計器、レーダー/センサー/光学カメラ、通信システム 等の表示が出来る。
各表示のスクリーンへの配置や設定は、パイロットによる自由配置がある程度は可能。
各表示の操作盤は、座席の左側手摺に設置されている。
各計器、レーダー/センサー/光学カメラ、通信システムの通知音やアラーム音はヘルメット内のスピーカーから発せられる。
通信システムの通信音声のやり取りはヘルメット内のスピーカーとマイクで行われる。
《各計器》
[速度計(Speed Indicator)]
機体の移動速度を表示する。
ダークマター推進の推力を速度に換算して表示する。
惑星の大気圏内では、機体前方上面の大気状態センサーが風圧を測定して、ダークマター推進の数値に測定結果を反映して表示する。
<大気状態センサー>
機体前方上面の4ヶ所に設置されている。
惑星の大気圏内では機体外壁の一部が陥没し、大気状態センサーが大気を取り込む。
[姿勢指示器(Attitude Indicator)]
宇宙空間では基本は、母艦に対する機体の姿勢状態を表示する。
戦闘時は、戦闘区域の状況により姿勢基準を変更する。
<姿勢基準>
戦闘区域の中心戦域、敵艦船、敵戦闘機 等。
惑星の大気圏内では、地面に対する水平度合いを表示する。
大気圏内でも姿勢基準を変更することも可能。
[スタビライザー状態表示器(Stabilizer Status Indicator)]
スタビライザーの展開状態を表示する。
[距離計(Rangefinder)]
基本は、母艦に対する機体の距離を表示する。
場合によっては、目的地に対する距離を表示する。
戦闘時は、戦闘区域の状況により距離基準を変更する(距離基準:戦闘区域の中心戦域、敵艦船、敵戦闘機 等)。
[高度計(Altimeter)]
惑星の大気圏内で、気圧の変化を感知し海抜高度を表示する。
[方位儀(Heading Indicator)]
機体の方角を表示する。
<方位基準>
目的地、近隣天体、母艦、敵艦船、敵戦闘機 等
大気圏内では、惑星の自転軸に則した方角を表示する選択も出来る。
[ダークマター推進推力計(Dark-Matter Propulsion Thrust Meter)]
ダークマター推進の推力を表示する。
<推力表示>
・ダークマター推進球(Main Dark-Matter Propulsion Ball)
・姿勢制御用ダークマター推進球(Attitude-Control Dark-Matter Propulsion Ball)
・緊急時のダークマター推進球の使用状態(Usage Status of Dark-Matter Propulsion Balls in an Emergency)
※緊急時は、メイン、姿勢制御用、スタビライザー制御用、スタビライザー展開用、クリスタルキャノン展開用の9球のダークマター推進球の総てを推進力として使用することにより、通常の1.5倍程度の推進力を得ることが出来る。
[クリスタルキャノン状態表示器(Crystal Cannon Status Indicator)]
クリスタルキャノンの状態を表示する。
鉱物生命体であるクリスタルのマインドの状態を感知して表示する。
通常状態及び機体前方へ突出された展開状態のそれぞれにおけるクリスタルのマインドの状態を感知して、クリスタルキャノン発射の可否を判断する為の表示器。
クリスタルキャノン格納部内の正圧状態を感知して表示する。
(宇宙空間での発射口への異物侵入、大気圏内での発射口への大気侵入を防ぐ為、クリスタルキャノン格納部内をクリスタルエネルギーにより正圧状態にしている。)
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《レーダー/センサー/光学カメラ(Radar / Sensors / Optical Camera)》
機体の前方下部のレーダー/センサーや、機体各部位のセンサー/光学カメラの状況を表示する。
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《通信システム(Communication Systems)》
機体の前方下部の通信システムや、機体各部位のアンテナの状況を表示する。
通信システムの操作は座席の左側手摺の操作盤で行い、外部音声はヘルメット内のスピーカーから発せられ、自己音声はヘルメット内のマイクが集音する。
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【パイロット】
パイロットは通常は宇宙空間用スーツと宇宙空間用ヘルメットを着用する。
宇宙空間用ヘルメットは戦闘機操縦時はバイザーを収納している。
パイロットは戦闘機操縦時は、固定具により座席に固定される。
<固定部位>
頭部、肩部、腰部
《物語(Story)》
【戦闘機による護衛(Fighter Escort)】
素晴らしい歌声だった。
最高のステージだった。
エレガント レディは我々の戦艦への慰問を終え、広報艦と伴に最寄りの基地へ帰還するところだ。
私は戦艦所属の戦闘機パイロットだ。
戦艦の艦載機であるこの戦闘機で広報艦をエスコートする任務を遂行中である。
エレガント レディは戦艦を降りても広報艦に乗り込むことなく、自身で飛んで戦艦を離れた。
基地へ向かい始めた今も広報艦に並走して飛んでいる。
私は広報艦と並走してエスコートすることを命令されているが、今は広報艦とこの戦闘機との間でエレガント レディが飛んでいるという形だ。
エレガント レディはその切れ長の瞳で時折こちらを伺っている様だ。
戦闘機との間合いを測っているのだろうか。
私のエスコートは基地までの行程の中間地点までだ。
その先は基地の戦闘機がエスコートを担うことになっている。
中間地点まで基地の戦闘機が彼女達を迎えに来るのだ。
間もなく中間地点だ。
私の戦闘機のレーダーが、中間地点で基地の戦闘機が空中で浮かんで静止していると示している。
軍の艦船や機体はほぼ総てが、ダークマター推進を推力としている。
ダークマター推進とは、次元の根源エネルギー量子であるダークマターが司る引力斥力を利用した推進システムである。
翼等で揚力を得る訳ではない為、静止していても浮かんでいられる。
惑星内であれば、重力とは反対方向に引力を働かせ、重力方向に斥力を働かせることで、重力を相殺して空中に浮かぶのだ。
もっと言えば、宇宙空間、大気圏内に関わらず、引力斥力を働かせることで全方向に移動が可能である。
引力斥力の大きさを調整することで、加速度や速度を調整できる。
だから、この戦闘機には翼は無いし、我々の戦艦も大気圏内で雲海の上に静止して浮かんでいられるのだ。
浮かんでいる基地の戦闘機が目視できる様になってきた。
こちらを向いていた基地の戦闘機が反対向きに向きを変えている様だ。
そして少しづつ加速して我々の速度に合わせてきた。
エスコートのスムーズな引き継ぎを行う為だ。
私の戦闘機に基地の戦闘機から通信が入る。
「エスコートご苦労様でした。後はこちらにお任せください。」
私も通信を返す。
「了解しました。宜しくお願いします。」
右を見ると、エレガント レディがこちらを見ながら左手を振っている。
スタビライザーを振って私にお別れの挨拶をしているのだ。
私もコクピット内で右手を振り返す。
エレガント レディは私の挨拶を見届けてから、飛びながら広報艦の方へ向きを変え、既に開いていた広報艦の自室のハッチへ近づく。
そして、直立姿勢に成りながら、器用にハッチ内に入っていった。
飛んでいる間も、向きを変える間も、ハッチ内に入る間も、被っていた帽子は飛んでいくことはなかった。
きっと何らかの方法で固定されているのだろう。
私は戦闘機を減速させ、暫くの間、基地の戦闘機にエスコートされて去っていく広報艦を見送った。
「エレガント レディの中間地点までのエスコートを完了しました。今から帰艦します。」
私は戦艦へ通信する。
「了解しました。帰艦して下さい。」
戦艦の通信士が応える。
そして戦艦の方へ戦闘機の向きを変え、加速をする。
左前方から陽光が降り注ぐ。
コクピットのキャノピーが光を変調している為、眩しさはない。
私は果てしなく広がる雲海に感嘆しながら、その白い大海原の上を飛んでいく。
遠くの方に船尾と艦橋の背を陽光に輝かせる我々の戦艦が見える。
戦艦に近づくに従い、真っ白な雲海に墨を落とす様に戦艦の影が黒くなだらかな凹凸に形作られているのが見える。
甲板ではテントの撤去作業が行われている。
撤去作業を眺めながら艦橋の方へ向かう。
艦橋の中では、数人の乗組員が私の戦闘機に手を上げて任務完了に応えてくれる。
私は艦橋の真横で戦闘機を静止させ、降下しながら前後逆に向きを変え、後方移動をする。
艦底が見えるまで降下し、左側で艦載機格納庫のハッチが開きつつあるのを見つめる。
そして開いたハッチに戦闘機を向かわせ、格納庫内に入る。
格納庫内のこの戦闘機の格納位置まで浮かんだままゆっくり移動して静止し、前後逆に向きを変える。
ランディック ギアを展開し格納位置に接地させた。
操縦桿システムから手を離し、暫くコクピット内でシートに座ったまま思い浮かべる。
“今日は楽しい日だったな”
“この戦争はいつまで膠着しているのだろう”
”戦争はいつ終わるのだろう“
日が沈む前には宇宙へ上がるだろう。
そして明日からはまた、敵の動向を監視しながら戦闘に備える日々が続くのだ。
いや、今日宇宙へ上った直ぐからだ。
私はそんな思いが湧いてくるのを首を振りながら振り払う。
自分の前に空間ロックされた操縦桿システムを見つめ、そして手を伸ばし、システム下面の相対空間ロックスイッチを長押しして空間ロックを解除する。
浮遊したままの操縦桿システムを左側へ移動させながら座席から立ち上がる。
先の見えない毎日を見据える様に、私はコクピットの前方、そしてそのキャノピーの向こうのハッチの閉まった格納庫内を見る。
数十メートル先の見慣れた薄暗い壁。
その壁を睨む様に見つめながら、私はコクピット前方下部の乗降ハッチへ向かった。
《この構造説明図に関連するアートワーク(Artwork related to this structural drawing)》
※リンク(Link)
→戦闘機による護衛(Fighter Escort)
《この構造説明図に関連する構造説明図(Structural drawing related to this structural drawing)》
※リンク(Link)
→戦闘機(宇宙軍戦艦艦載機)[構造説明図](Fighter (Space Force Battle Ship Carrier-Based Spacecraft) [structural drawing])
→戦艦(宇宙軍所属)[構造説明図](Battle Ship (Space Force) [structural drawing])
→フローター[構造説明図](The Floater [structural drawing])
→広報艦(統合軍所属)[構造説明図](Public Affairs Ship (Assigned To The Unified Command) [structural drawing])
《“フローター”を描いたアートワーク(Artwork depicting “Floater”)》
※リンク(Link)
→カテゴリー【フローター】(Category【Floater】)