acrylic,
watercolor pencil,
canvas 53×46×2cm(F10)
2019年
売却済 Sold
この絵の下描きをした20年程前は、どこかの星でのホラー染みた記憶として、物語を書き、下描きをしました。
ですが今、絵を描いていて気づきました。
この絵は、”過去の記憶に重ねた未来”を描いてるんだと。
ムーの女神を救いに来た、闇の宇宙の子を描いているんだと。
ツインレイと私自身を描いているんだと。
永遠の時を苦しみ続けた二人の救済の絵なんだと。
About 20 years ago, when I drafted this artwork, I wrote a story and drafted it as a horror-style memory of a star.
But now I finally noticed while drawing artwork.
This artwork is depicting “the future that overlaps with the past memories”.
I’m drawing a child of the dark universe, who came to save the goddess of Mu.
I’m drawing my Twinray and myself.
This is the artwork for the salvation of two people who have suffered eternal time of pain.
このアートワークに登場する動物や妖精
Animals and fairy that appear in this artwork.
※リンク(Link)
→おんぶヤモリ(Plggyback-ride gecko)
→豆みたいな野うさぎ(Bean-like hare)
→花弁で一休み(Resting with petals)
《物語(Story)》
【My Floor of Rose Blood】
扉の前に立ち扉に手を置いてみる
すると扉は音も無く開き始めた
開いた扉から覗く内部は真っ暗で何も見えない
外の白と中の黒とのコントラストがより一層、中を黒く感じさせる
今日は昨晩泊まった村で聞いた噂を確かめに森の中に来てみた
暫く歩き、急に開けたところに出たと思ったとき、開けた空間の向こうの端に白い建物が見えてきた
そのまま立ち止まらずに歩き建物に近づいていく
建物は真っ白である
近づくとその白さの異様さに気付く
汚れが殆ど無い
真っ白なのである
真っ暗な内部、その床に目を落とす
そこは真っ赤であった
絨毯でも敷いてあるのか
でもそれは血の様な赤である
扉はそのまま少しづつ開き続け
血の様な赤が広くなっていく
そしてそれは絨毯ではないことが解る
一様なものではなく、皺が寄っている
植物の葉の葉脈の様に奥の方からこちらに拡がっている
葉脈のあちらこちらに干乾びた動物の死骸があるのに気付く
そして葉脈の根元、この建物の中心の様に思われる場所には、何か白いものがぼうっと見えた
その中心部に光が当たるまで扉を更に開く
光が射すと同時にその白いものがこちらを見た
見る・・まさかこちらを見るとは
顔が見ている・・髪の無い月白(げっぱく)の様に青白い顔がこちらを
何なのだ・・この人?は
身体自体は向こうを向いている
しかしその身体には足は無い・・臀部が床から直接生えているかの様だ
葉脈が臀部に繋がっている・・というより葉脈が身体から生えているかの様だ
そして右側の臀部から生えた葉脈が脈動している・・何かを吸い上げる様に
その葉脈の先を目で追ってみる・・片側だけ耳の長い小動物が横たわり血の気が失せた様に生気が無い
そう実際、血を体液を吸っているのだ
そう思うと、こちらを見ている顔が不気味に微かに笑っているのに気付く
私も獲物になるのか
そう気付いた途端、後退りし駆け出していた
反射的に逃げ出した自分に気付き、また反射的に建物を振り向く
月白の上半身とまだこちらを向く顔そして見つめる眼
その顔を抱く様に絡まる半透明の顔と腕が静かに現れた
そして、その黒橡(くろつるばみ)の顔がにやっと笑った
昨晩寝る前に宿の主人に昔から伝わる噂・・というより御伽噺を聞いた
白いお屋敷に閉じこもったまま何百年も出て来ない美女の話を・・・