ーHare's worldー 晴れ(Hare)が紡ぎ出す絵と物語 宇宙の生命、それらが憧れる地球の女神 魅惑の世界が広がる Arts and stories spun by Hare. Lifeform in the universe, the goddess of the earth that they yearn for, the fascinating world spreads

《幽玄の世界(The Yugen World)》
タウントレイン [第三話]:屋上庭園(The Town Train [The third episode]:A Rooftop Garden)

《幽玄の世界》タウントレイン [第三話]:屋上庭園

mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 18×26×0.1cm(B5)
2024年



《物語(Story)》

《幽玄の世界(The Yugen World)》
【タウントレイン [第三話]:屋上庭園(The Town Train [The third episode]:A Rooftop Garden)】

この街の屋上には庭園が幾つかある。
家自体が列車となっているタウントレインには家の前や裏に庭を造ることは出来ない。だから屋上に庭を造っている人達がいるのだ。

屋上庭園からは幽玄の世界が見渡せる。青く仄かに光る世界を一望出来るのだ。
今日は知り合いの自宅の屋上にある庭園にお邪魔している。たまには花を愛でるのも良い。
知り合いはこの4番住宅車の一階に住んでいる。一階には他の人が住むもう一つの家があり、二階にも他の人が住む家が二つある。この住宅車には4つの住宅が設定されている。屋上は各住宅車に住む人達の共有スペースだ。

ここの屋上庭園には仄かに光る花が一面に咲いている。それが評判となっていて、ここに訪れる人も多い。だが今は私だけだ。多分、夜遅いからだろう。
夜遅いと言っても、この幽玄の世界の光景は昼も夜も変わらない。どの時間も常に青いのである。
この街の住人は時計を見て時間を意識する。しかしながら実際は、住人は時計を見なくても何故か時間がある程度把握出来てしまう。そんな能力が知らず知らずのうちに備わっているのである。
知り合いは先程まで私と一緒に花を観ながら話をしていたが、眠くなったと言って自宅へ降りていった。下への階段は住宅車の中央に設置されていて、二階の玄関、一階の玄関、そして通路へも繋がっている。だから、どの住人にも迷惑をかけることなく私は帰路に着くことが出来る。
住宅車の一階の列車の進行方向に対し右側には住宅同士を行き来する為の通路が設置されているのだ。先頭の機関車から列車の最後尾まで、住宅車の右側をひと続きに通路が通っているのだ。

今は私一人きりだ。
私は庭園の真ん中に立ち、庭園一面に咲く白く仄かに光る花々をぐるっとその場でゆっくり周りながら見渡す。とても幻想的だ。
そして目線をこの世界の遠く彼方に向けて、もう一度ぐるっと一周する。青く仄かに光る世界。果てしない平原。彼方に幾つか丘がある。その向こうもきっと平原だ。果てしない青い世界。
私は上を向く。濃い青の空。この世界には昼と夜の区別はない。朝陽も、太陽が照る昼も、星が瞬く夜もない。
この世界は永遠に果てしなく青いのだ。
上空には星々の代わりに仄かに輝く幕のような羽衣のようなものが浮かんで漂っている。オーロラのようでもあるがオーロラほど大きくも明るくもない。仄かに輝く幾つもの薄幕なのだ。
ここからは上空にある薄幕達は小さく見えるが、近くに行けばそれなりに大きなものなのだろう。
不思議なことにその羽衣達というか薄幕達は、いつ見ても私の上空に在るのだ。タウントレインがどれだけ移動しても、上空を見ると自分の上空付近にのみ存在し、遠くの方には無いのだ。まるで地面が無限に動く無限に広い箱庭の中を走るタウントレインが、いつも箱庭の中心にいて、空は全く動いていないかのようだ。

ここは、平原自体が仄かに青く光り、上空に漂う羽衣のような薄膜達が仄かに青く輝く、青の世界。青く仄かに光る幽玄の世界。

私は一人きりでこの世界を一望する。
果てしなく続く青い世界を見渡す。
仄かに白く輝く屋上庭園で。

(…世界を感じる…)


《幽玄の世界について(Regarding The Yugen World and )》
青く仄かに光る果てしない世界
果てしない青い平原を果てしなく走る列車
それはタウントレイン
果てのない幽玄レールを走る街
永遠に何かを求めて彷徨う人達が住む街
タウントレイン、それは幽玄の街

《タウントレインについて(Regarding The Town Train)》
機関車、住宅車、公民館車からなり、機関車に設置されている巨大クリスタルをエネルギー源とし、空気エンジンを動力源とする。レールはクリスタルの思念が造り出す。
住宅車には、一車両で一邸宅の大邸宅、二階建ての大きな間取りの住宅、二階建ての小さな間取りの住宅などがある。

《幽玄の世界の住人について(Regarding the inhabitants of The Yugen World)》
基本的に口から食物や水分を摂取しないでも生きられる。住人は空間に潜むエネルギー(次元の根源エネルギー)をそれぞれが直接取り込むことにより生命を維持している。

《タウントレインの詳細(Details of The Town Train)》
<動力源>
・機関車に動力源となる空気エンジンとクリスタルが設置されている。
・補助用としてサブクリスタルが設置されている。
[空気エンジン]
・圧縮空気によって動作するエンジン。渦巻き状の導管による空気圧縮とクリスタルエネルギーによる空気圧縮を併用する。
・180度V型12気筒空気エンジン×16基の192気筒空気エンジン。
[クリスタル]
・列車の空気エンジンを動作する為の空気の圧縮をサポートする。また、街の生活に関するエネルギー源となる。
[サブクリスタル]
・メインクリスタルの補助用クリスタル。列車前方の障害物の排除や他方向への攻撃が必要時は、クリスタルキャノンとしてクリスタルエネルギーを発射する。

<レール>
・レールはクリスタルの思念が造り出している。列車前方にレールが造り出され、列車後方のレールは消えていく。
・車輪がレールを上下で挟み込む構造。
・列車が走行する範囲のみレールが造り出される為、レール寸法や車輪に対してのクリアランスが極めて高い精度で造り出される。よって走行による振動は、車輪基部のダンパーの効果と相まって殆んど感じないようになっている。

<機関車>
・機関車は先頭車両と中央車両の二つがあり、同時に稼働する。
・列車の動力源である空気エンジンとクリスタル、そしてサブクリスタルが、それぞれ二つの機関車に設置されている。
・二人の列車管理人が二つの機関車をそれぞれ担当している。
・機関車は列車管理人の住宅を兼ねている。
・機関車には、機関車と公民館車と住宅車の為の給水施設や物品倉庫などがある。

<住宅車>
・一車両で一邸宅の大邸宅、二階建ての大きな間取りの住宅、二階建ての小さな間取りの住宅などがある。
・住宅によっては、屋上に庭が造られている。
・住宅車の中央部に階段が設置されていて、一階の玄関、二階の玄関、屋上、そして通路へも繋がっている。
・住宅車の一階の、列車の進行方向に対し右側には、住宅同士を行き来する為の通路が設置されている。また、最前の住宅車と機関車とを繋ぐ通路も設置されている。
・進行方向に対し左側には、窓を開放した時の風の吹き込み防止用の仕掛けが設置されている。
一般住宅:各階の窓の前方と上方と下方に透明のプレートが迫り出す。
大邸宅:一階、二階通しの前方の大型透明プレートと、一車両通しの上方と下方の大型透明プレートが迫り出す。前方、上方、下方の他に後方の透明プレートも迫り出す。吹き込み防止用プレートと同時に二階のベランダが迫り出す。
・停車時には、住宅車の進行方向に対し左側の中央部(階段が設置されている部位)の一階部分が地面に接するようにレールの外に斜め下向きにせり出すことにより、住人が住宅から外に出ることが出来る。

<公民館車>
・住民が共有で使用できる施設。
・学術や文化についての知識を得る為の情報端末や図書館が設置されている。
・住民が交流を図る為のスペース(大部屋、小部屋)が設置されている。
・タウントレインが走る幽玄の世界についての情報を情報端末で検索した場合、検索者によっては個別の情報が提供されることがある。
・公民館車は先頭機関車の次に位置している。

<車両編成>
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🔴:機関車・・・2両
⚪:公民館車・・・1両
🔘:住宅車(大邸宅)・・・8両
🔵:住宅車(一般住宅)・・・30両


“幽玄の世界”を描くシリーズ(Series depicting “The Yugen World”)

【タウントレイン】シリーズ(【The Town Train】series)


“幽玄の世界”と関連し、またタウントレインが描かれたアートワーク(Artwork related to “The Yugen World” and depicting The Town Train)

※リンク(Link)
テイルコートとトップハットを装う狐紳士(A Fox Gentleman in a Tailcoat and Tophat)[地球のモノノ怪達 #3(The Mononoke on The Earth #3)]


“幽玄の世界”と関連するアートワーク(Artwork related to “The Yugen World”)

※リンク(Link)
新しい駅に向けて(Hacia nuevas estaciones)


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