acrylic,
canvas 41×32×2cm(F6)
2018年
《物語(Story)》
【真の闇のモノ達 #3ー暗闇に潜むモノー(True darkness things #3ーA thing lurking in the darknessー)】
とてつもなく広い、暗闇の空間に、私達の宇宙船はやって来た。
だが、悪魔種族である私には、この宇宙の空間全体に満ちるダークマターが淡い光の粒として見える。その為、私達にとって暗闇は存在しない。
そしてダークマターは引力と斥力を司っており、物質を造り出す作用もあると伴に、物質を際立たせ浮かび上がらせもする。
また、私達はその引力と斥力を思念で操ることが出来、それによってエネルギーだけでなく物質をも引き寄せたり遠ざけたり出来る。
それは、何かが存在すれば、他の仲間には暗闇でも、私にはそれを見ることが出来、そのエネルギーも感じるということを意味する。
この暗闇の空間に入り、もう随分時間が経ったが、船のダークマターを利用した感知器は何も反応しない。
仲間達はこの真っ暗な状況に少し怯えている。
(その感覚が私には伝わってくる)
そして、私にも通常のダークマターの光の粒以外は何も見えず、感じることもない。
突然、私は船の左舷にとても巨大なエネルギーを感じ、瞬時に意識と眼をそちらに向けた。
その光景と感覚に圧倒されながら、私は仲間に告げた。
「左舷に何か居る、ライトを広角で」
そう告げると同時に、船の感知器も反応し、警報を鳴らす。最高級の高感度感知器でも私達の感覚には敵わない。
「何だこいつは」
ワニ型宇宙種族が声を上げる。
「信じられない」
猫型宇宙種族が驚く。
それは、ヒューマノイドと想われる巨大な顔の様だった。それは宇宙の古参種族である大いなる種族より遥かに巨大であった。
大いなる種族は大天使とも呼ばれ、身長2000mを有する種族だ。
これがヒューマノイドの顔であるとすると、このモノの身長は、大いなる種族との比率から24000mはあると想われる。確かに信じられない大きさだ。
何故、直ぐ傍まで来るまで、私はこのモノを見えもせず感じもしなかったのか?
考えられる原因は、このモノがダークマターを操っているということだ。
そして、船の機関室から連絡が入る。
「クリスタルが突然唸る様な声を出し始めた」
「何なのよ、これ」
ヒューマノイドの男女の仲間が叫んでいる。
船の推進機関として設置されている大型ダークマター球と並んで重要な機関として、大型クリスタルは船のエネルギー源として機関室に設置されている。
私にも、遠く離れた機関室からクリスタルの悲鳴が思念として届いた。
と同時に、クリスタルの悲鳴の意味が判明した。
私は、船の前方から何かとても強いエネルギーが発生されようとしている感覚を感じ取った。
「何か前方から来る、避けろ」
そして、船の感知器も遅れて警報を鳴らす。
ワニ型宇宙種族が船を右へ操舵する。
そして私は真っ暗な前方に、5本の支柱の中心から強いエネルギーが発生するのをサードアイの視界で見、エネルギーの感覚で感じた…
《“真の闇のモノ達”を描いたアートワーク(Artworks depicting “True darkness things”)》
→カテゴリー【真の闇のモノ達】(Category【True darkness things】)
《このアートワークに関連した構造説明図(Structural drawing related to this artwork)》
※リンク(Link)
→私達の宇宙船(Our Spaceship)