mechanical pencil(シャープペンシル),
acrylic,
illustration board 18×26×0.1cm(B5)
2018年
このアートワークに関連したアートワーク
Artwork related to this artwork
※リンク(Link)
→Graceful crystal #1ーDragon wagon stopー
→Graceful crystal #2ーEnchanting giant pinky finger glowing redー
→《ディテールアップバージョン(Version of add details)》 赤く輝く踊り子(A red shining dancer)
※リンク(Link)
→《大いなる種族(大天使)カタログ(The Gigantic Tribe(ARCHANGEL) CATALOGUE)》Page 2
《物語(Story)》
【Graceful crystal #3ーDetach gem from Gigantic tribeー】
森を抜けて、既に3日も歩いている。
今朝辺りから、Graceful crystalが本当に在るなんて嘘なのではないかとの想いが、頭に浮かび始めている。
そんな想いが出てくる度に、絶対に在ると信じる想いがその想いを遠くに追いやる。
大いなる種族の亡骸が、この先に在る筈なのだ。
もう陽が沈み始め、辺りは薄暗くなり始めた。
3日目も何も無かった。
4日目、夜明け前に目が覚めた。
まだ暗いが、支度をして歩き始めた。
昨日から続く、緩やかな丘が連なる地形を歩き続ける。揺れるランタンの光が、地面の大小様々な石の影を踊らせる。
そして暗い前方に目を戻す。
その遥か先の方に、何かぼんやり赤いものがある。
そのまま歩き続けた。そして赤いものがある辺りがうっすらと明らみ始めてきた。夜明けだ。
先程までぼんやりとしていた赤いものが、鮮やかに光を増し始めた。
徐々に赤いものに近づいてきた。
そしてそれが、腕が赤く輝く仰向けになった巨大な人間だと気づいた。
更に近づく。
本当に在った。
これが大いなる種族の亡骸なのだ。腕の向こうの脚も赤く輝いている。
赤く輝く腕と脚の中の骨が影となって浮かび上がっている。それが美しくも想える。そしてまだ生きているのではないかと想ってしまう。
伝説では、左腕と左脚のみが Graceful crystal なのだと伝わっている。その巨大な亡骸が何百年もの間、瑞々しいままで横たわっていると。
今、私の目の前に在るものは、本当に伝説そのままだ…